[鼎談取材]富士見だからおもしろい!わたしたちの仕事

富士見にはどんな職場がある? ここで働くやりがいや喜びとは? そんな直球の質問をたずさえて、富士見町の仕事人たちを直撃しました。富士見町で働く魅力、経営、採用の工夫など、『ふじみではたらく』ことについて、業種、肩書きが違うお三方に伺いました。

【登壇メンバー紹介】

■道の駅・信州蔦木宿駅長/山田巳智也さん(47歳)

富士見町の隣・山梨県北杜市生まれ。2009年に道の駅・信州蔦木宿の職員となり、2014年に助役、2024年1月から駅長職に就任。施設が建つ蔦木地区が運営し、農産物直売所と食事処、日帰り温泉を併設する。地元農家と連携してオリジナル商品の開発、イベント開催など、地域資源を活かした観光拠点としても人気を博し、全国の直売所から注目を集めている。
道の駅・信州蔦木宿

■社会福祉法人 富士見町社会福祉協議会 事務局長/小林功さん(53歳)

富士見町南原山生まれ。20歳で同会に入職。現在は事務局長として、障害者の作業所や高齢者福祉施設、デイサービス等、富士見町の福祉を担う拠点の人材マネジメントを中心に行い、働きやすい職場づくりにも尽力している。
社会福祉法人 富士見町社会福祉協議会

■今井建設株式会社 代表取締役/今井正和さん(52歳)

富士見町上蔦木生まれ。創業60年を迎える地元建設会社として富士見町や長野県の土木事業やインフラ整備、災害復旧等を担う一方、約15年前からはNHKの番組セット制作をきっかけに全国でもめずらしい映像制作のサポート事業や機材レンタル事業にも取りくむ。カンヌ映画祭「クィア・パルム賞」を受賞した映画「怪物」では、作品の鍵となる廃電車の制作に携わり、富士見町内でのロケを実現させた。 また、長野県の「社員の子育て応援宣言」企業に認定、「長野県SDGs推進企業に登録、消防団活動を積極的に支援する取り組みを行う。
今井建設株式会社

一見、異業種。でも、どこかでつながってる
それが富士見の心地よい規模感

◾️今日は、それぞれまったく業種の異なる仕事をされているお三方に集まっていただきました。まずはそれぞれに、自己紹介とお仕事の紹介をお願いします。

山田巳智也さん(以下、山田) 
道の駅・信州蔦木宿の山田です。15年前にここで働き始めて、今年の1月に駅長職になりました。蔦木宿は、直売所と食事処、そして全国でも1割程度しか無い温泉施設を併設した道の駅でもあります。その運営を、道の駅のある上蔦木・下蔦木地区の住民による協議会が担っていて、私たちはそのもとで働いているというかたちになります。法人ではなく地域協議会が運営する、全国でもめずらしい道の駅です。

小林功さん(以下、小林) 
富士見町社会福祉協議会の小林です。私は20歳で入職し、ここで働いてもう33年になります。社協は文字通り地域での社会福祉活動を推進するための民間組織で、同様の団体は全国にあります。富士見の社協は私が入ったころは本当に小さな事業所でしたが、今では高齢者介護や障害者支援などの分野で6つの施設を運営し、スタッフも170名になっています。

今井正和さん(以下、今井)
みなさん、自己紹介上手すぎませんか?(笑)私は上蔦木にある今井建設の今井です。うちは建設会社として祖父の代から土木・建設の事業を行ってきました。15年ほど前から縁あって、映像制作の支援事業として、セットを造ったり、ロケのさまざまなサポートをする事業も行っています。なかなかこういう場に慣れないですが、よろしくお願いします。

◾️みなさん、はじめましてという感じですか?

小林
きちんとお話しするのははじめてなんですが、今井建設さんにはうちが運営している地域活動支援センター「赤とんぼ」の薪製造販売事業ですごくお世話になっているんですよ。

今井
土木工事で出た木材を薪の素材として、加工・販売してもらっているんです。

小林
薪製造部門へ最初に協力してくださったのが今井建設さんで、その前例があったおかげで、いまは地域の複数の建設会社などが協力してくださるようになりました。町内企業からいただく木材で薪をつくり、販売することが障害のある方たちの仕事になり、彼らの工賃になっているんです。あと、山田さんが務める道の駅・信州蔦木宿では、うちの事業所でつくったものを扱ってもらっています。お世話になってます。

山田
こちらこそお世話になってます! お惣菜やお菓子、野菜も出荷してもらっているんですよね。道の駅・信州蔦木宿では、毎週1回出張マルシェを行っているのですが、その開催時間に合わせて社協のみなさんが高齢者サロン(介護予防の拠点、孤立化や引きこもり防止を目的に、公民館・商店・個人宅などで実施)も開催してくださる、そんな協力がありがたいです。あ、そして、今井さんはよく蔦木宿の食堂を利用してくださっていますよね。

今井
そうそう、うちから近いということもあって、よく行ってます。おいしいから好きなんです。

山田
じつは、私たちの道の駅を運営している地域協議会の会長を歴代で最も長く務めて下さったのが、今井さんのお父さんにあたる今井建設の現会長さんなんです。事業運営のプロである今井さんが長く会長として基礎を作ってくれて、それを引き継ぎながら運営しているという感じです。僕は、北杜市で生まれ育ったんですが、富士見を見ると、町内の横の連携がなんとなく見えている「ほどよい規模感」というのがすごく魅力的だなって思います。いま住んでいる北杜市も住みやすい場所ですが、合併もあり約4万人という行政規模で、当然ながら知らない人の方が多いんですよね。一方、富士見町の人口は約1万5000人。このちょうどよい規模感が、町民同士、お互いがいい具合に知り合い、という感覚が残っているような感じがするんです。

小林
なるほど。富士見で生まれ育った感覚からいうと、「ちょっと距離が近すぎるのかな」というネガティブなイメージがあるけれど、それが利点なっているかもしれないですね。

「どうしても、富士見でロケしてほしかった」
地域の仕事で、地元が盛り上がる喜び

◾️みなさんの、意外なほど深いつながりが見えたところで、富士見で仕事をする「やりがい」についてお聞きしたいと思います。まずお聞きしたいのは、地域でさまざまな映画のロケを実現させている、今井建設さんのお仕事。そもそも建設業である今井建設さんがドラマや映画のセットの建設事業をはじめたきっかけは?

今井
NHKさんのドラマ撮影がきっかけです。たまたま、うちの会社の裏にある釜無川という川をロケ地に撮影をするにあたり、「流れてしまった橋をつくってくれないか」と依頼がきたのが始まりです。当時は映像業界のことはわからないので、建設や土木のノウハウを使って橋をつくりあげたのをきっかけに、撮影隊のバックヤードの支度場や屋外トイレの設置、食事スペースなど、撮影に関するさまざまなケアして差し上げていたら、そういうことができる業者はなかなかないということで、口コミで広がって今に至る、という感じです。

◾️なるほど、たしかにロケ全般のあれこれがひとつの会社にお願いできることは制作現場としてはすごく心強いものなのでしょうね。

今井
そうなんですよね。さらに僕は負けず嫌いなんで、頼まれたことはできないって言わないんですよ(笑)。それに撮影業界の人たちから刺激を受けることもたくさんあるんです。撮影の方たちって、建設業界の目線で考えると常識的に無理だと思うようなセットでも、撮影のためにはなんとかしてやってやろう!という熱意がすごいんですよ。『とにかく形にするんだ』という強い想いがあるんです。『監督の思う世界をかなえるために』という気持ちの強さは、近くにいていい影響を受けますしとても刺激的です。

◾️是枝監督の映画『怪物』の重要な舞台となるロケ地も、富士見ですよね。

今井
そう、あの場所には富士見の他にも候補地がいくつかあったんですが、「絶対に富士見でやってほしい」と、強く私自身が思ったんです。「ここに電車を作れたら最高だね」という話になったとき、なんとかこの場所に電車セットを造りたい!という想いで、自分なりの方法を考えて提案しました。でも、正直なところ、本当にできるかどうかはもちろんわからなかったので半年ぐらいはずっとストレスでしたね。無事に完成させることが出来てよかったです。撮影中、セットチェンジが必要で、期間は最初3日間との依頼がきたんですが、さすがにそれは厳しかったので、自分でプラン表をつくって「どうしても6日間もらいたい」と説明してなんとか時間を確保してもらいました。本当は12日間くらいほしかったんですが、そこまでは言えなかったのでうちのスタッフ総出、アルバイトさんにもお願いしてやり切ることができました。

今井建設が手がけたセット造りの様子(写真:今井建設提供)

◾️半年もストレスを抱えながら、やり切ったんですね。その熱意はどこから来ているのですか?

今井
やっぱり、地元・富士見町で撮影してほしかったんですよ。この地域の風景を一つでもスクリーンに出したいっていう気持ちです。素晴らしい場所に我々は住んでいるのに、なかなか気づけない。でもスクリーンで見ると気づかされるんです。「こんないいところに僕は住んでるんだ」ってね。もし、あのシーンが別の場所で撮影されていたら、僕、あの映画観にいけないですよ、悔しくて。

山田
今井さんのおかげで、ロケ地の「聖地巡礼」をめあてに富士見に来て、道の駅にも立ち寄ってくれる方も多いんですよね。

◾️作品に残るだけじゃなく、「聖地巡礼」といった効果もあるんですね。

今井
映画『忍びの国』のあとに企画したバスツアーは、1900人くらい応募がありましたね。

山田
すごいですよね。先日も地域で観光協会の打ち合わせがあったとき、理事のおひとりが「聖地巡礼の波及効果が大きいから、“イマケンさん(今井建設の愛称)”にも観光協会に入ってもらったほうがいい」って、熱弁していたほどですよ。

今井
たしかに、連絡をもらいました。全然勝手はわかりませんけど、せっかくお声をかけていただいたので、入りますとお答えしました。

山田
あはは、ぜひよろしくお願いします。

◾️建設業だと思っていたら、観光業まで。地域の仕事、思わぬところにつながっていきますね。

ロケ地となった富士見町内のとある場所(写真:今井建設提供)

「日本一、売れ残りの少ない道の駅に」
畑に出向き、生産者との対話を大切に

◾️続いて山田さん、道の駅を運営されていますが、お仕事のやりがいはどのような点でしょう。

山田
来てくださるお客様に喜んでいただくことはもちろんですが、農産物などを出荷してくださる地域の生産者のみなさんに「出荷してよかった」って思ってもらえることが嬉しいですね。僕たちは単純に商業主義というよりも、地域にしっかりお金を落とすということも使命だと考えています。僕の言葉ではないんですが「売り上げ日本一でなくてもいいから、売れ残りが日本一少ない直売所をめざしましょう」ということを道の駅のあるべき姿として考えているんです。
僕自身、小売や販売管理といった職種からここに転職してきて、最初に課せられたミッションは「まず売り上げを伸ばそう」だったんです。しばらく売り上げを伸ばすことに注力して走ってきたけれど、あるとき「あ、ちょっとここはそれだけの施設じゃないな」と気づく瞬間があったんです。
生産者さんと話をしていた時に「畑やめようと思っていたけど、山田くんがしつこく言うからもう一年やるわ」といった具合に近所のおじいさん、おばあさんに言われるようになったんです。

山田
儲けのことだけを考えれば、市場から野菜を仕入れて、高い利益を乗せてうればいいけれど、ここはそうじゃない。きちんと地域の生産者さんの顔を見ながら話して出荷してもらって、全力で売り切って、農家さんたちが育てることや出荷することにやりがいを感じてもらうことの方が大事なんだ、そんな考えにシフトしていったんです。

今井
正直、販売する場所を提供しているだけだと思っていたんです。蔦木宿のイメージが大きく変わりました。

蔦木宿の店内の様子。採れたての農産物が並ぶ(写真:山田さん提供)

小林
それって地域福祉の目線から見ても、すごいことです。年齢を重ねると生きる意欲、働く意欲がどうしても下がってしまう。もしこれまで続けきた畑作業をやめてしまうと、一気に体力が弱って健康状態にも影響するという例は、たくさんありますし見てきました。苦しんだり無理をする必要はないけれど、できる範囲でそれまでしていたことを続けてもらいたいというのは、社協から見ても基本だったりするんです。そういうことに、道の駅さんが向き合っているって、気づかない視点でした。

生産者とのやりとりも蔦木宿の魅力のひとつ(写真:山田さん提供)

山田
単純に、生産者さんと話しているのが楽しい、っていうこともあるんですけどね。その延長線上で、最近は契約生産者さんの圃場巡回もしているんですよ。うちの職員と県の農業の専門職の方に来てもらって、実際にご自宅にお邪魔して畑を見せてもらったり、袋詰めを見せてもらったり。それを文章にまとめて毎月一回、160軒くらいの契約生産者さんに向けて発信しているんです。「この生産者さんはこんな努力をしていました、この方はこんなふうに畑を綺麗に管理されていました」って。

今井
モチベーションが上がるよい取り組みですね。その文章って、我々町民は見られないんですか? 読んでみたいなぁ。

山田
うれしいなぁ。見ていただく、という発想はなかったです。でもたしかに、外に発信するのもいいアイデアですよね。実は、この圃場巡回の背景には、農薬の適正使用など、安全性や表示への裏付けを取りたいたいという意味もあったんです。でも、いざ始まってみたら、みなさん我々の訪問を歓迎してくれるんですよ。最初は「忙しいんだから来ないでいいよ」なんていうのに、いざ行ったらいろいろ見せてくれて(笑)。肥料はこうやったら、いいのができたんだ、なんて。嬉しそうに話してくれるんです。

今井
自信を持って育ててるから、「見て見て」ってなるんだろうなあ。

山田
そうそう、もう時間がないのでいいです(帰ります)って言いそうになるぐらいです(笑)。農家さんって直接褒められる仕事じゃないですよね。畑はものすごくきれいだし、しっかり管理されている、でも一生懸命つくっていてもその圃場が見られることはほぼない。じゃあ、お互いに刺激を受け合うためにも文章にまとめましょう、といった具合になっていったんです。ほかの直売所に比べて、職員と生産者の距離がすごく近いという自負はあります。

小林
今の話を聞くと本当に、道の駅に行きたくなりますよね。

山田
ありがとうございます。みなさんからの視点、どんどん発信したくなるアイデアをいただきました。

山田さんたち道の駅スタッフが行う圃場巡回の様子(写真:山田さん提供)

人手不足の時代、人に寄り添う採用が鍵

◾️それでは、小林さんはいかがでしょう? 

小林
そうですね。今は事務局長という立場で、現場よりもマネジメントをする立場です。以前は、利用者さんからの言葉にやりがいを感じられるような場面ももちろんありましたが、今はもっぱら職員が自己成長し、頑張ってくれているとよかったな、ってホッとするような気持ちです。なんていうのかな、喜んで仕事をして、「社協でよかった」と働く人に言ってもらうのが一番うれしいです。人を雇用したり、取りまとめたりする人はそういう感覚、ありますよね。

今井
どの業界も一緒ですね。

山田
楽しそうに働いているところをみると、単純にうれしいですし、ホッとするという感覚もすごくよくわかります。

小林
たとえば僕が退職しても、社協がずっと続くことが大事なことだと思うんです。そのためにも、働いている人たちがスキルを身につけたり満足感をもって前向きに働けることが大切だし、うれしいことなんですよね。

利用者さんと笑顔で触れ合うスタッフ(写真:小林さん提供)
運営施設のひとつ「ふれあいセンターふじみ」のデイサービスの様子。八ヶ岳が一望できる檜風呂。
(写真:小林さん提供)

◾️なるほど。「働く人」の話題が出ましたが近年、どの業界も人手不足と言われています。採用の面はみなさんどうでしょう。

小林
うちに来てくれるのは、富士見が好きで、富士見で働いてここに暮らす人を支えたいという人が多いです。ただ、最近は地元の人が少し減ってきていて、移住者の方や周囲の自治体からの応募が増えたりしていますね。

◾️社協ならではの魅力的な採用条件や福利厚生などあったらぜひ教えてください。

小林
スタッフに喜ばれているのは、子どもとの同伴出勤を認めていたり、子どもが小学生のうちは時短労働を認めたりといった、育児・子育ての両立ができる職場づくりに力をいれているところですかね。あとは、パートで入社しても正規職員になりやすいキャリアパスの体系があることです。最初はちょこっとお小遣い程度にと来た人がいつ間にか係長さんになっている、そういう職場です。

子づれ出勤時の様子(写真:小林さん提供)

◾️子を持つ親にとってはとても魅力的な職場ですね。今井さんはいかがでしょう?

今井
実はうちも子連れ出勤OKなんですよ。

山田
撮影の現場にもですか?

今井
そう、撮影の仕事も、建設の現場も。楽しいじゃないですか、現場に子どもがいたら。自分は、社員が要望することは基本的にアリ、そのかわり責任を持ってやってね、というスタンスです。その中で、誰もが働きやすい職場づくりをしようとがんばってくれている社員がいて環境を整備してくれているんです。長野県が定める「職場いきいきアドバンスカンパニー」という認証を、ワークライフバランスとネクストジェネレーションという2部門で建設業ではじめて取得することができました。

山田
なるほど、うちは、あんまりないかなぁ……。強いて言えば、職員は温泉に入れるとかですかね。

今井
それはいいですね!

山田
スタッフはお風呂道具持ってきて、ひとっ風呂浴びて帰る人が多いですね。あとは、働いている人の年齢層がわりと高いので、2時間くらいの短時間労働も受け入れていますね。(パートさんの)希望休にも、できる限り応えられるようにしています。

◾️働く人の実態に即した働き方を認めているということですね! そういえば、今井建設さんでは、最近めずらしい採用事例があったとか。

今井
そうなんです。もともと、『Fukushima50』という映画のエキストラとして出会った人なんですが、「時間あるならやってよ」と、セットのバラシ(解体作業)を手伝ってもらったんですよね。そうしたら、この仕事に面白さを感じてくれたのか、建設の仕事にも来てくれるようになって、最近、社員になりました。

また別の人ですが、駆け出しの俳優さんもバイトで来てくれてるんです。「仕事がないから働かせてくれ」っていうので働いてもらっています。実はこの方、ものすごい鳶(とび)職の技術を持ってて、足場をきちんと作れる貴重な人材なんです。「俳優になりたいんだったらがんばれ! 売れてうちをやめろ」って応援しているんです。あまり言いたくはないんですけどね。

◾️駆け出しの俳優さんが夢に向かって働ける会社!素敵です。応援したいけど手放したくない…社長としては複雑な心境かもしれませんね。
では道の駅の採用については山田さんいかがですか?

山田
今井建設さんのあとに続く強いエピソードはなかなかないですけど(笑)。うちの場合、もうすぐ中心になって働いてくれていたスタッフさんが定年を迎えるんです。そのタイミングで職員募集をかけたところ、3人ほど新しい方がフルタイム勤務で働いてくれることになりました。

今井
3人も!すごいことですね。

山田
本当にいい出会いでした。これを機に“ノー残業デイ”を設けて週5日勤務になるような職場にしていきたいと奮起しているところです。もちろん、今の流れからいってセルフレジとか、券売機とか、機械に人の仕事を預ける方法もあるとは思うんですが、やっぱり蔦木宿では人とのコミュニケーションは外せないし、大切にしたい。しかも、道の駅といっても先ほどお話ししたように意外と仕事の幅が広い。地元を盛り上げることに関われる仕事なんですよね。そういう醍醐味をもっと知ってもらえるようにPRしていていきたいと思っています。

支え合い、刺激し合って
富士見の未来を、ともに創る

◾️最後に、「ふじみではたらく」ことの未来像について、それぞれにお聞かせいただけますか。

小林
魅力的な職場じゃないと、働く人もサービスを受ける人も、ここで暮らしている町民のみなさんにも満足していただけないんだろうと思っています。だから、魅力的な職場をつくることを、地域を未来につないでいく第一歩にしたいですね。今日はお二人と話せて、頑張っている姿や活躍をお聞きして、社協も一緒に頑張らなくてはと改めて感じました。でも、個人的には今井さんの会社が携わった作品をエンドロールで見るたびに、富士見という地元で仕事しててよかったと感じるし、こういう人たちの生活を福祉の面で支えるためにもがんばろうって思えてました。

◾️熱いメッセージを受けて、今井さんはいかがですか。

今井
そうですね、建設現場も、映像制作の現場も職人はどんどん高齢化している状況ですが若い人ではできないような技術を先輩たちがすごく持っているんですよ。レーザーを使って測っても、結局は人の手。大事な技術はこれからも受け継がなきゃいけないし、魅力を発信して、若い世代と一緒に、伝統をつないでいくことにも力を入れていきたいなと思います。

◾️山田さんはいかがでしょう。

山田
道の駅が扱っている商品の多くは地元の人が育てる農産物で、地元の農業振興や地域振興というところと切り離せないものなんですね。農業の点でいうと、富士見は典型的な中山間地で、平地も少ない。大規模化を考えると不利かもしれない土地です。そのなかで生き残っていくには、個人ではなく集落営農としてみんなで取り組んでいくような農業のあり方しかないのかなと思っています。移住してくる方にもガンガン地域に入ってもらって、みんなで盛り上げていくような、そういう町になっていくのかなという気がしています。

小林
仕事って、自分たちだけでは成り立たない、地域全体で支え合うことが大切なんだと、今日お二人と話したことで実感しました。業界ごとで動くのではなく、富士見町というフィールドの中で刺激し合っていくことで、富士見町全体も良い地域になっていく。そんな未来に繋がっていくといいですよね。

今井
小林さんのまとめ、さすがですね!今日はお話しできてうれしかったです。

3人
ありがとうございました!

◾️今日は貴重なお時間、そして富士見町での深いつながりを感じられるお話をありがとうございました。みなさんのお話をお聞きし、富士見町で働く魅力ややりがいをこれからもこのサイト「ふじみではたらく!」を通じて町民の皆さん、全国のみなさんに発信していきたいと、聞き手としても思いました。本当にありがとうございました!

(記載の内容は全て取材時点の情報です)